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キャンプの楽しみの一つとして欠かせない、焚き火。「焚き火を始めてみたいけど、何から始めればいいのかわからない。」と悩んでいませんか?

安心してください。焚き火は安全に配慮すれば、あなたが思っているよりも気軽に始めることができます。

当サイトは、焚き火のやり方や基礎知識から、おすすめの焚き火道具など、焚き火に関するさまざまな情報を紹介している、焚き火専門の情報サイトです。

このページでは、焚き火をやったことのない初心者が安心・安全に焚き火を楽しめるよう、必要な焚き火道具から焚き火のやり方、後始末の方法までをまとめています。これから焚き火を始めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

STEP1 焚き火ができる場所を探そう

あなたの自宅周りや移動時間1〜2時間程度の距離で、焚き火ができる場所はありますか?

近くにキャンプ場や焚き火ができる場所がないと、せっかく焚き火道具を揃えても使う機会が少ないのはもったいないです。自分の環境やライフスタイルに合わせて焚き火道具を揃えましょう。

焚き火ってどこでもできるの?

まずは、焚き火を始める前に『焚き火ができる場所』を知っておくことが大切です。都道府県によって焚き火などに関する独自の条例を定めている場合もあるため、いくら私有地であっても焚き火をする前に確認をしましょう。

また、河原や海岸など、管理者である自治体が禁止をしていなければ、河川法によって焚き火は基本的に認められています。焚き火が可能な海岸は日本各地にあるため、近くの海岸が対象かどうか調べてみましょう。

なお、いくらキャンプ場でも稀に焚き火が禁止されている場合があります。予約する前に調べておきましょう。

一番大切なことは、マナーを守り周囲に迷惑をかけないことです。直火が禁止の場所では焚き火台などを使いましょう。芝生が燃えたり、子供が火傷をしないよう、後始末も重要です。ルールを守った上で、安全に焚き火を楽しみましょう!

焚き火道具のレンタルや薪の販売があるか

キャンプ場によって、焚き火台を含むキャンプ道具のレンタルサービスが用意されています。道具をレンタルできれば、いざ買う際の道具選びの参考になります。初期費用を抑えることもできるため、積極的に活用しましょう。

STEP2 焚き火道具を揃える

では、焚き火を始めるにはどんな道具が必要なのでしょうか。

まずは最低限の道具でOK

焚き火道具と言っても、その種類はさまざまです。その中にはあると便利で助かるけど、無くても問題ないものもあります。予算に合わせて、まずは必要最低限の道具から揃えてみてはいかがでしょうか。それ以外の道具は、自分の焚き火スタイルや必要に応じて、少しずつ買い足していきましょう。

初心者が焚き火に必要な基本道具

初心者が焚き火に必要な基本的な道具(ギア)は、以下の9点です。

焚き火に必要な基本道具

  1. 薪(まき)
  2. 斧(おの)、ナイフ、鉈(なた)
  3. 焚き火台
  4. 点火道具:チャッカマン、トーチ(柄の長いライター)
  5. 着火剤
  6. 火バサミ、薪ばさみ
  7. 耐火グローブ(革手袋)
  8. 火消し壺
  9. ローチェア

一つずつ、説明していきますので、ぜひ参考にしてください。

薪(まき)

焚き火をするために必要となるものが、薪(まき)もしくは炭(すみ)です。

一般的に、下記のような性質を薪が持っていることから、炭ではなく薪が使われます。

  • 炎が大きく燃え上がる
  • 炭よりも比較的に安く手に入る
  • 焚き火をするのに向いている

事前に薪を買っておけば、当日用意する手間が省けますが、キャンプ場を使う場合は荷物になるため、現地で購入するのがおすすめです。

ちなみに、薪となる木には2種類あります。

  • 針葉樹:柔らかく、火が着きやすい。すぐに燃え尽きる。
  • 広葉樹:硬く、火が着きにくい。長時間燃え続ける。

それぞれ特徴を組み合わせて、うまく使えるといいでしょう。

針葉樹

針葉樹は、柔らかく火が着きやすいため、火起こし・焚き付けに使うのがおすすめです。ただし非常に燃えやすいため燃焼時間も短く、すぐに燃え尽きてしまいます。

一般的に売られている薪は針葉樹が多く、広葉樹よりも安く手に入ります。キャンパーが焚き火をする時に作る「フェザースティック」も、この針葉樹がおすすめです。

【木の種類】ヒノキ、スギ、アカマツ、カラマツなど

広葉樹

広葉樹は、木の密度が高く、重くて硬いため、火が着きにくいです。ただ、燃えてしまえばゆっくり燃えるため、長時間燃え続けます。針葉樹で火を起こし、広葉樹で火を育てていくのがおすすめです。

一度に燃やす量にもよりますが、1束で約2〜3時間ぐらいは持ちます。

【木の種類】クリ、ケヤキ、ナラ(オーク)、アカシア、カエデ、クヌギ、サクラなど

斧(おの)、ナイフ、鉈(なた)

薪が大きいと、火が着きにくく燃えにくいです。そのような時に使うのが斧(おの)、ナイフ、鉈(なた)です。薪を細かく割って燃やしやすくしましょう。針葉樹は割りやすく、広葉樹は割りにくいため、必要に応じて使い分けましょう。

斧(おの)

斧は、大きく「和斧」と「洋斧」の2種類に分けられます。イメージとしては、柔らかく割りやすい針葉樹は和斧。硬く割りにくい広葉樹には洋斧が適しています。

柄の長い斧もありますが、初心者では扱いが難しいため、安全性を考えるとコンパクトな「手斧」がおすすめです。

ホームセンターやキャンプ場などに売られている市販の薪であれば、この手斧で割ることができます。思い切り振り下ろす必要はなく、薪に当てて薪の底を地面に叩くように当てていれば、簡単に割れていくため、斧を買う場合は手斧をおすすめします。

ナイフ

針葉樹の薪であれば「バトニング」というナイフを使った手法で薪を割ることができます。手斧と同じ方法で、薪に少し刃を入れて叩いていけば余り力を使わずに薪を割れるため、初心者でも簡単にできます。

おすすめは「モーラナイフ」です。スウェーデン製のナイフで、コスパに優れていてデザインも良いため、使っている人が多い印象です。焚き付けに使うフェザースティックを作るのにもおすすめです。

鉈(なた)

鉈(なた)で薪を割ることもできます。手斧やナイフと同じ方法で、薪に少し刃を入れて地面を叩いていけば割ることが可能です。鉈の刃の背中を別の薪で叩くことでも割れます。

鉈は手斧やナイフよりも刃の面が広いので、注意して薪を割りましょう。

焚き火台

焚き火をするには焚き火台が欠かせません。最近のキャンプ場では、芝生が燃えたり、火災を防ぐなどの理由から、直火での焚き火は禁止されていることが多いです。キャンプ場に限らず、自然を壊すことがないよう焚き火台を使いましょう。

多くのアウトドアブランドがオリジナルの焚き火台を販売しています。長く使うものでもあるため、こだわりたい焚き火道具の一つです。

その中でも、人気で代表的なおすすめの焚き火台を3つ紹介しましょう。

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商品名スノーピーク(snow peak)焚き火台Mユニフレーム(UNIFLAME)ファイアグリルコールマン(Coleman) 焚火台 ファイアーディスク
総重量3.5kg2.7kg1.6kg
サイズ35×35×24.8cm43×43×33cm45×23cm
収納サイズ45×51.5×3.2cm38×38×7cm46×8.5cm
目安2〜3人用3〜5人用4〜5人用
材質ステンレスステンレス(焼き網は鉄/クロームメッキ、脚はスチールパイプ)ステンレス
付属品収納ケース収納ケース、焼き網収納ケース、焼き網
スノーピーク(snow peak)の焚き火台M

1996年にグッドデザイン賞を受賞したスノーピークの定番アイテムです。厚みのあるステンレス製で歪みにくく錆びにくいため、非常に耐久性に優れています。長く使えるだけでなく、設計がシンプルで開くだけで簡単に設営できます。収納時のサイズもコンパクトなため、長年キャンパーに愛されている製品です。

サイズは、S/M/L/LLの全部で4種類。ソロキャンプからファミリーまで、人数に合わせて選ぶことができます。

ソロの場合は手軽さ優先でSサイズ。5人以上であればL/LLサイズは欲しいところです。個人的には一番応用が効くMサイズがおすすめです。ベースプレートや熱をキープしてくれる炭床が一緒になっているスターターセットもおすすめです。

スノーピークはテントも非常に人気があります。この焚き火台はテントとの相性もいいため、テントを検討している人にはおすすめの焚き火台です。

ユニフレーム(UNIFLAME)のファイアグリル

ユニフレームの焚き火台『ファイアグリル』も定番の一つです。こちらもステンレス製で耐久性が高く、長く使えるアイテムです。バランスがしっかりしている4本足で簡単に転ぶことはありません。

サイズは、ノーマルとラージの2種類。ノーマルは3~5人、ラージだと5~8人まで一緒に焚き火を囲むことができます。BBQ用に焼き網もついていて、ずらすこともできるため、焼けたお肉や野菜を保温しておくこともできます。

価格も安価でコスパに優れている点も、初心者には嬉しいポイントです。

コールマン(Coleman) 焚火台 ファイアーディスク

キャンプ用品のブランドとして広く親しまれているコールマンの焚火台『ファイアーディスク』も人気製品の一つです。3本の脚を開閉するだけで簡単に設営・収納ができる作りです。ステンレス製で強度があり、お手入れも簡単です。

サイズは、ノーマルとソロの2種類。ソロサイズは2021年に登場したコンパクトなモデルです。ソロサイズは本体重量が600g程度(網込み約900g)と持ち運びしやすく、耐荷重は約25kgです。焼き網も付いているため、ダッチオーブンなど炭火料理に挑戦したい人には嬉しい付属品です。

もちろんフルサイズもおすすめです。市販の大きめの薪をそのままのせることができ、大人数で焚き火を囲むことができます。

安い価格設定もポイントです。ぜひ検討してみてください。

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点火道具:チャッカマン、トーチ(柄の長いライター)

薪や種火に着火するためには、点火道具であるチャッカマンやトーチが必要です。着火剤に火をつける際、一気に燃える場合もあるため、できれば柄(持ち手)が長いものにしましょう。100均で販売されているものでも問題ありませんが、すぐにガス切れすることもあるため注意が必要です。

チャッカマンであれば、ソト(SOTO)の『フィールドチャッカー ST-450』。トーチであれば、同じくソト(SOTO)の『スライドガストーチ ST-480C』がおすすめです。

フィールドチャッカー ST-450は、カセットガス式で点火直後でも炎が安定しているため女性でも扱いやすいです。

スライドガストーチ ST-480Cは、伸ばして使用します。火口キャップが付いているため、誤作動を防ぐことができ、カセットガスやライターガスから充填できるため、経済的です。

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着火剤

フェザースティックを作って火を起こすのもいいですが、初心者にはやはり着火剤がおすすめです。火種をつくる時間短縮になるため、非常に便利です。

着火剤には、主に下記の3種類があります。

  1. 固形タイプ
  2. チューブジェルタイプ
  3. パックジェルタイプ

初心者には扱いやすく、簡単に継ぎ足しができる固形タイプがおすすめです。

中でもおすすめは、ユーコ(UCO)の『ストームプルーフ スィートファイヤービヒモス ストライカブル ファイヤースターター』です。燃焼時間が長く、短時間で着火できるため初心者におすすめです。

火バサミ、薪ばさみ

火バサミとは、燃えている薪や炭の位置を調整したり、薪をくべる時に使う道具です。トングのような形をしていて、材質はステンレスやスチールが多く、熱に強く丈夫です。

長いトングでも問題ありませんが、柔らかいものだと薪をしっかりつかめず、事故につながる可能性もあるため、作りのしっかりしたものがおすすめです。

初心者にはつかみやすく扱いやすいV字のsnow peak(スノーピーク)『N-020』。長く使えて耐久性が欲しい方は、ハサミ型のTEOGONIA(テオゴニア)『ファイヤープレーストング』がおすすめです。

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耐火グローブ(革手袋)

火バサミで薪や炭を移動する時に一緒に使いたいのが耐火グローブです。火や火の粉は火傷の恐れがありますし、薪割りの場合にトゲが刺さることもあります。軍手を使う人もいますが、軍手では薄く防ぐことができない場合があるため、熱に強く丈夫な革手袋がおすすめです。

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火消し壺

火消し壺は、焚き火の終わった薪や炭を入れて、火を消すための道具です。薪や炭はそのまま放置しておいても完全に鎮火するには時間がかかります。直接水をかけると焚き火台が変形する恐れがありますが、火消し壺があれば、中に入れて蓋をするだけで、酸素が遮断されるため短時間で鎮火できます。

キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG)『火消しつぼ 火起し器セット』は火起こしと火消しを兼ねているため、初心者には嬉しい特徴です。

火の不始末は思わぬ事故につながります。自身や家族・周囲の人が怪我をしないためにも安全に後始末をしましょう。

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ローチェア

焚き火を楽しむためにはローチェアは必須です。薪をくべやすい点に加え、焚き火の炎に目線が近くなるため、より焚き火を楽しむことができます。

火の粉に強く難燃性に優れた綿100%のバンドック(BUNDOK)『焚き火 チェア』や、こちらも火に強い帆布(コットン)生地でゆったり座れ安定感のあるDOD(ディーオーディー)『タキビチェア』がおすすめです。

初心者が知っておきたい焚き火のやり方

ここからは、焚き火のやり方やポイントについて見ていきますが、まず焚き火をはじめる前に、風が強いと非常に危険です。風で火の粉が飛び、テントやタープなど周りのものに燃え移ることもあります。キャンプ場などの場合、周囲に迷惑がかかる可能性が高いので素直に諦めましょう。

上手な焚き火のポイント

焚き火初心者にとって、やはり火起こしは難しいです。ですが、ポイントをおさえていれば、初めての方でも上手に焚き火ができます。

小さな炎から大きな炎へ

火起こしのポイントは「小さな炎から大きな炎へ」です。はじめは細い薪(針葉樹がおすすめ)や着火材など、火のつきやすいものにチャッカマンやトーチを使って火をつけます。火がついたら中くらいの薪から太い薪と、少しずつ大きな薪をくべていきましょう。火は一度安定すれば、あとは消えないように薪をくべていけば大丈夫です。

焚き火をするときのマナーと注意点

直火が禁止の場所では焚き火台を

キャンプ場でも、地面でそのまま焚き火を行う「直火」が禁止されている場合があります。直火が禁止されている場所では、必ず焚き火台を使いましょう。またそれ以外の場所でも、禁止されている場合があります。海岸で直火で焚き火をすることで、鎮火していない薪がそのまま砂に残り、子供が怪我をするケースがあります。トラブルを起こさないためにも焚き火台を使いましょう。

焚き火をする場所

焚き火をする場所として、草木の多いところや、焚き⽕シート(耐火シート・不燃シート)がない場合は芝生の上は避けましょう。

また、火の粉がテントやタープに飛ばないよう、少し距離をとった風下がおすすめです。キャンプ場で近くに他の人がいる場合は、特に距離感を大切にしましょう。

焚き火台と薪を使った上手な焚き火のやり方

焚き火台を使った具体的な焚き火の手順を見ていきましょう。

  1. 着火剤を一番下に置く
  2. 細い薪を間隔を空けて並べ火をつける
  3. 少しずつ薪を太くして火を育てる

着火剤を一番下に置く

まず焚き火台の中央に着火剤を置きます。着火剤がない場合は、軽く丸めた新聞紙でも大丈夫です。現地調達する場合は、松ぼっくりやスギの枯れ葉、シラカバの皮、ススキの穂などを集めましょう。

細い薪を間隔を空けて並べ火をつける

着火剤の上を空気が通りやすいよう、少し隙間を空けながら細い枝や薪を重ねます。この時、組む方向をバラバラにすると、より空気の通り道ができます。

並べ終わったら着火剤に火をつけましょう。着火剤は一気に火が燃え上がるため、耐火グローブをはめてライターやトーチを使って点火してください。

少しずつ薪を太くして火を育てる

火がついたら、細い薪から少しずつ太い薪へ、火種を移していくように薪をくべていきます。細い薪が赤い炎を出して燃えている時が太い薪を追加するタイミングです。なかなか火が出ない時は、火吹き棒を使って少しずつ空気を吹き込みましょう。

細い薪から太い薪に炎が燃え移り、太い薪が芯から燃えれば炎が安定します。そこからは薪が少なくなったタイミングで薪をくべて、焚き火を楽しみましょう。

炎が上がらない時は、火バサミを使って空気が通りやすいよう薪を組み直しましょう。使い捨ての割り箸や紙コップなど、木や紙でできたものなら燃料として燃やしてもいいですが、ゴミを燃やすのはやめましょう。黒煙が出たり、材質によっては有害ガスが発生します。自分だけでなく、周りの迷惑にもなるためやめましょう。

薪の組み方

薪の組み方にも色々な形があります。主な5つの組み方を簡単に紹介します。

  1. 井桁(いげた)型
  2. 並列型
  3. 放射型(インディアン型・開き傘型)
  4. 合掌型(ティピー型・閉じ傘)
  5. 差掛け型

井桁(いげた)型

「井桁(いげた)型」とは、薪を漢字の「井」の字のように並べる組み方です。一番スタンダードな形で、初心者でも簡単に組むことができます。小枝や落ち葉など燃えやすいものを中央に置くことで、短い時間で燃やすことができます。

強めの火力が欲しい時におすすめの組み方です。

並列型

「並列型」とは、太い薪を2本並べ、その上に薪を並列に並べる組み方です。一番下の2本の薪で通気性が保たれるため、燃焼効率もよく強い火力が欲しいときにぴったりです。

焚き火台を使わず直火の際にも使える組み方で、地面が濡れていても問題なく燃えるため、万能な組み方です。

放射型(インディアン型・開き傘型)

「放射型(インディアン型・開き傘型)」とは、傘を開いたような見た目で、薪の先端を中央に集めた組み方です。中央部分の先端から、ゆっくりと放射線状に燃えていく組み方で、焚き火を長時間楽しむ場合に最適です。

煮込み料理など、弱火でじっくり作る料理などにもおすすめです。焚き火台の大きさによって、薪が外にはみ出していると重心が移動して落ちてしまうこともあります。火バサミで薪を調整しながら、ゆっくりと楽しみましょう。

合掌型(ティピー型・閉じ傘)

「合掌型(ティピー型・閉じ傘)」とは、閉じた傘のように薪を焚き火台の中心に向けて円錐形に立てる組み方です。薪が少ない時でも炎に高さを出すことができます。

見た目の美しさが印象的な組み方です。ただ、バランスを保つことが難しく、時間が経つにつれて薪が崩れやすくなります。炎が大きくなりやすく非常に燃えやすいため、薪の消費も早く、調理には不向きな組み方です。

差掛け型

「差掛け型」とは、太い薪を1本置いて、そこに別の薪を何本か立てかける組み方です。並列型の土台を1本に減らした形で、簡単に組むことができます。とにかく素早く火をつけることができるため、手間を省きたい人におすすめです。

通気性がよいため、燃えやすく薪の消費も早めです。様子を見ながら薪をくべないと炎を保つことができないため、風防付きの焚き火台がおすすめです。

STEP4 焚き火の後始末、片付け

火を扱う焚き火は後始末が大切です。安全に気をつけて片付けましょう。

後始末に必要な道具

焚き火の消火には火消し壺を使いましょう。火消し壺がない場合は、炭が燃え尽きて白い灰になるまで待つ必要があります。炭が燃え尽きるまでには2〜3時間かかる場合があるため、火消し壺があると便利です。

なお、水をかけて消火するのは避けましょう。水をかけても火種が消えなかったり、焚き火台を傷める場合もあるためです。金属は急激な熱の変化に弱く、熱された焚き火台に水をかけると曲がってしまうため、緊急時でない限りやめましょう。また、灰が泥状になると処理に時間と手間がかかるため、火消し壺を使うことがおすすめです。他にもスコップやバケツがあると後始末が楽になります。

STEP5 使った道具の手入れ・メンテナンス

使用した道具の手入れやメンテナンスをすることで、次の焚き火の準備が楽になります。

特に斧・ナイフ・鉈などの刃物は、メンテナンスをしないと錆びて使い心地が悪くなります。ケガの元にもなるため手入れしましょう。

焚き火台のメンテナンス

焚き火台はステンレスでできているものが多いです。使い終わって熱が冷めたら、取り急ぎウェットティッシュや布などではいを拭き取りましょう。焦げ跡などは、たわしなどで擦って落とすこともできますが、表面に傷がついてしまうため、できる限り柔らかいスポンジで洗いましょう。

耐火グローブ(革手袋)のメンテナンス

革手袋はメンテナンスをすれば、長期間使うことができます。かっこいいレザーグローブであれば、なおさらでしょう。丁寧にメンテナンスして長く大切に使いましょう。

焚き火を楽しむために

焚き火はシンプルだけど奥が深い

道具を使って火を起こし、ゆっくり炎を楽しむ。焚き火は非常にシンプルです。

ただ、自分好みの道具を揃えギアの組み合わせを替えてみたり、季節や天候に合わせて場所を変えてみたり、薪の組み方や色々な料理を試してみたりなど、焚き火のなかには多くの楽しみが存在します。焚き火をするための準備や道具の手入れなど、手間も楽しみの一つでしょう。

シンプルだからこそ自分に合った焚き火スタイルを追求してみてはどうでしょうか。

焚き火は安全に楽しみましょう!

令和4年の消防庁のデータによると、令和2年の林野火災(いわゆる山火事)の出火件数は1,239件。その原因として焚き火が全体の約30%と最も多く占めています。

そんな背景もあり、日本では町から離れた山の中でも、国立公園や国定公園内であれば、火の使用自体が禁止されていたり、焚き火をするために許可や届け出が必要になっている場合が多いです。冒頭でも説明しましたが、キャンプ場でも焚き火が禁止されている場合があります。事前に確認し、土地のルールやマナーを守った上で、安全に焚き火を楽しみましょう!

出典:【お知らせ】林野火災を防ごう!~全国山火事予防運動~(消防庁ホームページ)

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